日本山岳耐久レース(ハセツネCUP)(11.10.22) Name:いけだ

今年1月にオランダ駐在から帰国し、4月に浦安ランナーズに入会しています。その後、5月に皆さんとご一緒させていただいた丹沢が初めての日本でのトレランで、温泉、ビールがセットなってるトレランは楽しいと実感した頃に、ハセツネのエントリーがありました。エントリー当日の午前中は、運良く出張も会議もなく、無事RUNNETでクリック予選を突破!

 

7月に北丹沢12時間山岳耐久レース(北丹)を走り、ハセツネが日本での2度目のレースとなります。オランダ駐在時には、スイスで3度、フランスで1度山岳レースを走ったことがあり、この中で約78kmのレースも走ったことがありますので、距離に対する恐怖心はありませんでしたが、夜のトレイルをライトを付けて走るのは初めてですので不安がありました。

レース当日の朝は雨で、笠原さんと新浦安駅前で待ち合わせ、11時頃に武蔵五日市駅に着いた時は、土砂降りの雨で、テンションはどんどん下がってましたが、会場に着くとボランティアで前日から準備されているKikeさんにご挨拶し、元気をもらいました。

 

スタートは、ハセツネ常連の会社のランニング部の仲間にまぎれて、10時間以内グループの後方に並びます。試走で一応3回に分けて全コース走りましたが、タイムは13時間切れればいいかなという程度の目標で、それより夜の山を走るのは初めてですし、しかも雨で滑り易くなっているはずで、転倒して怪我しないこと、コースアウトして迷子にならないこと、そんなことばかり考えていました。

 

午後1時スタート、広徳寺を過ぎたあたりでカメラを持ったKikeさんを発見、写真を一枚撮って頂き、ペースは周りに合わせて、山を登り始めます。会社のランニング部の大先輩からは、「前半は飛ばすな、後半の下りまで足を残しておけ!」というアドバイスを受けており、第一関門までの区間は、一定のペースを保って、抑え気味でいきました。周りのランナーからは、「このペースなら浅間峠まで4時間ぐらい」という会話が聞こえてきて、ちょうどいいペースの集団に入り込んだかなという感じ。第一関門の浅間峠(22.66km地点)に3時間51分28秒で到着、この時かなり暗くなっていたので、浅間峠通過後すぐにヘッドライト、ハンドライトを取り出しました。初めてライトを付けて山を走りましたが、この時前方に誰もいなかったので不安になり、後ろを見たり、コースアウトしていないかキョロキョロ、完全にハセツネ初心者の走りでした。

 

浅間峠から、第二関門の月夜見第二駐車場までは、比較的走り易いのですが、三頭山までの登りは足を消耗します。まだまだ先は長いので、無理せず、一定のペースで、転倒しないよう下りは慎重に進みます。第二関門の月夜見第二駐車場(42.09km地点)に7時間23分39秒に到着。ここで1.5Lのポカリを補充してもらい、トイレで用を足して、いよいよ後半戦に突入です。ここまで来れば水分補給の心配は無いし、エネルギー補給食は十分残っていたし、足も余裕があったし、夜のトレランにも慣れてきて、いろんな不安が吹っ飛んで、ようやくエンジンがかかってきた時です。参考までに、エネルギー補給に関してですが、レース3日前から食事をたっぷり取って、当日の朝とレース直前にもおにぎりをしっかり食べて、レースにはジェル12個とSOYJOY3個を持ちました。レース開始2時間後から、1時間毎に補給しています。

 

第二関門を過ぎてから、このコースで誰もが最も辛く感じるであろう御前山までの長い登りを通過、最後の急な登り大岳山近くまで行くと、遠くに街の明かりがぼんやり見えてきます。近くのランナーが「戻ってきたぞ!」と声を張り上げ、私も元気が出ました。大岳山からはしんどい登りはなく、下りが多くなりますが、もう13時間切りは間違いないし、あとはこのレースを楽しもう、満喫しようと、ペースが上がった4-5人の集団に入って気持ちよく走れました。

 

ロックガーデン近くに水場があります。ここで冷たい水を空のペットボトルに入れて一気飲み、ハンドライトの電池を入れ替えて、スイッチが入りました。ここからはずっと一人で走ることになりましたが、かなり抜いたと思います。第三関門の御岳山(58km地点)を10時間21分5秒に通過、日の出山山頂で最後のエネルギー補給をして残り約11km、ここからの金毘羅尾根は、途中緩い登りも何ヶ所かありますが、殆どが緩い下りで、スピードが出せるところ。このあたりになると、12時間切りを意識していたので、登りも必死に早歩きして、下りで飛ばして、残り5kmぐらいで12時間切りを確信しました。残り2kmぐらいになると武蔵五日市の街明かりが近くに見えてきます。この達成感があるからマラソンはやめられません。予定より早かったので、ゴール地点でKikeさんの声援を受けることもなく、フィニッシュ!タイムは11時間53分43秒。一回だけ滑って尻もち着きましたが怪我なく、ペース配分、水分・エネルギー補給の量・タイミングも順調で、会心のレースでした。

 

今年は気温や山道の濡れ具合など昨年よりコンディションが良く、タイムが良かったようです。完走率も79.9%と昨年より上がりました。大会運営や、レース後のイベント等、素晴らしい大会です。24時間と制限時間も十分ありますから、皆さんも是非チャレンジしてみて下さい。